2019春夏のファッショントレンドをキーワード別にレポートしています。今回は2回目で、テーマは色です。今年はどんな色がコレクションで見られたのでしょうか。
トレンドカラーとして浮上しているのは、しっかりと彩度の高いマリーゴールドの黄色です。深みのある色で、少しオレンジがかった黄色。ゴールドまでもトレンドとなっているようです。
左のセリーヌは、鮮やかなマリーゴールドでロング丈のジャケットとパンツをたっぷりの分量を使って提案しています。真ん中のドレスはオスカーデラレンタオスカー・デ・ラ・レンタ。
マリーゴールドの色は無地での提案が多く感じられます。その分、色を、その発色の良さを存分にアピールしているように感じます。黄色それ自体が、自我の芽生え、他人とは違う自分を表している色です。自己主張、アイデンティティの確立、自分軸、のような生き方の流れを意識しているように感じます。
補足ですが、この他にも違う視点によるトレンド色が発表されています。まず、パントーンが発表している2019年春夏のトレンドカラーは名付けて「LivingCoral」。さんごの色です。また、日本流行色協会では「ビジョナリーミント」がトレンドカラーとされています。これはもう2年前から決まっているもので、常に2年先までのトレンドカラーは様々な観点から検討されて決められています。テキスタイルの世界でもこのトレントカラーを意識した色付けをしていくので、比較的、市場に出てきやすいと言えるでしょう。
この他、2018年秋冬にもコレクションでは注目されていた「ネオンカラー」は、継続して注目されているようです。
ファッションの中でも、遠くからでも視覚に訴えることができるのは「色」です。ファッションにおいて、色はとても重要なコンテンツです。特に春立ち上がりの時期は、冬からの季節が変わり生命が芽吹いていくといった自然界の流れの通りに、長い冬シーズンを終えて新しい年を感じさせる色の提案が出来ていないと、興味を持ってもらえない店頭になります。
2019年の春に相応しい色の展開を、追って見ていきたいと思います。